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ZUMOT JAPAN | Saint George | 中東ワイン | オーガニック | ワイン

Brand Story

 1954年、ブロス・ズーモット氏によりZUMOT WINERYは設立され、現在は息子であるオマル・ズーモット氏が就任しています。今では”ヨルダンワインの父”とも認められているオマル氏は、大量生産ではなく、ビオディナミの考えを軸とする小規模オーガニック農法でヨルダンに葡萄畑を構えました。  

 自身はフランスのローヌとボルドーで修行を積んだ経験も持ち、現在はヨルダン初となるワインアカデミーも設立しています。  

 ワイナリーを代表するワインSaint George(セイント・ジョージ)の由来は、1996年、海抜780mに位置するマダバ市内の聖ジョージ教会横に畑を造ったことに由来してSaint George(セイントジョージ ※1)と名付けられました。

※1:Saint Georgeのシンボルマークはゲオルギウス(George由来)が竜退治をしているシーンを描いている

ZUMOT JAPAN | Saint George | 中東ワイン | オーガニック | ワイン
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 ヨルダンは中東アジアに位置し、イスラエルの東、シリアの南、イラクの西、サウジアラビア北という紛争中の不安定な国や強国に囲まれています。このような複雑な土地であるヨルダンの別名は「中東最後の砦(とりで)」とも呼ばれる程に安全で、海外からの駐在員も多く住んでいます。一方で、隣国の紛争にいつ巻き込まれるか分からないという不安も拭いきれない状況です。

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 現状は平和を保っていますが、隣国から多くの難民を受け入れており、人口が急増しています。また、資源が乏しいヨルダンは、観光業が主な収益源で、世界的にも有名な映画の舞台にもなっているペトラ遺跡やワディラム、死海などを有し、観光地周辺にはKempinskyやHiltonなどの高級リゾートホテルが建ち並んでいます。そこに訪れる観光客に対し、ZUMOT WINERYはワインを生産し、卸しています。

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 国外輸出をしていないのか?と聞かれることもありますが、「していない」のではなく「できなかった」というのが正しいと言えます。理由は、ヨルダンでは93%がお酒御法度のイスラム教徒であり、ズーモット氏たちのようなキリスト教徒はたったの3%です。貿易会社のほとんどがイスラム教徒で構成されており、オリーブオイルなどは国外への輸出が可能ですが、ワインとなると取扱いができないという、宗教上の大きな理由がありました。また、数年前までは国内消費でも酒税300%(※2)がかかるなど原価自体が高く、商業目的のワイン輸出はさらに高い酒税が課せられたりと、国内消費という考えしか術がない状況でした。

※2:現在は200%(2023年時点)

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 ヨルダンの歴史を紐解くと、ペトラ遺跡にはワイン圧搾機の跡が発掘されるなど、実はヨルダンはワイン発祥の地としても有名で、さらにはイエスキリスト洗礼の地であるヨルダン川も有し、『最後の晩餐』ではヨルダン産のワインが飲まれていたなどと、ワインとの根深い背景があります。ところが7世紀ごろになると中東一帯にイスラム教が普及し、ワインは宗教上御法度とされ、土着品種は消え去ってしまいました。 ヨルダンの土地は非常に特徴的で、葡萄栽培が一見適していないと思われがちな砂漠気候ですが、上質なワインを造り上げてきた歴史を振り返り、ズーモット氏はヨルダンワインをもう一度現代に甦らせる決意をしました。

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 葡萄園のあるヨルダン北東部マフラックのサマ村(海抜600m)はミネラル分を豊富に含んだ粘土・石灰岩・玄武岩・火山灰からなり、灼熱の太陽と雪降る冬の寒暖差は通常のワイン葡萄に比べて厚みのある糖度の高い葡萄に育てあげます。 ビオディナミ農法(※3)により酸化防止剤以外の化学薬品は一切使用せず、ヨルダンの土地と複雑な歴史・宗教背景、そしてズーモット氏の熱き情熱を語るようなワインが仕上がり、2010年にはスイスIMOのオーガニック認証を受けました。

※3:ビオディナミ(Biodynamie)とは化学肥料等を使用せずに、大地・生態系・天候・病害等の自然サイクルに応じた抵抗力の高い葡萄の木を育てることを目的とし、その土地に適した生命条件を創り出す農法。

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 今、ヨルダンを出発したSaint Georgeは、日本に降り立ち、日本の空気を吸っています。 Saint Georgeの酸化防止剤値を日本の検査機関で測定した際、数値はほぼ0に等しく、品種によっては検出されないほどでした。これは驚くべき数値でしたが、一方で抜栓後の酸化も心配でした。 できる限り多くの皆様に長く楽しく飲んでいただきたく、私たちは実験を重ねました。

抜栓後、コルク保存かつ家庭用冷蔵庫で7日間、毎日テイスティングを行ってみたところ、酸化どころか徐々にまろやかに、角がとれていくことがわかりました。 品種によってはロックスタイルをお薦めしたいほどに夏に合う赤ワインでもあります。 

また、Saint Georgeは「樽の香りが良い」と仰っていただくことが多いのですが、実は樽の香りだけではなく、火山灰の香りが葡萄を通して感じられるのだとズーモット氏は語っています。

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 私たちZUMOT JAPANは2015~2017年にヨルダン北部のパレスチナ難民キャンプで学校教師をしていました。 当時、高級リゾートホテルやレストランで飲まれているSaint Georgeの美味しさに心奪われ、いつか日本でもヨルダンの魅力発信の一つとしてSaint Georgeを広めたいと考えていました。 まずはイスラム教徒の多い貿易業を潜り抜けるような販路開拓に時間をかけ、最終的に正規代理店としてZUMOT JAPANが2023年4月本格始動しました。

 全生産量95%をヨルダンのリゾートホテルに卸しているため、日本への割り当てはまだ多くないですが、1人でも多くのSaint Georgeファンが増え、ヨルダンの人・土地・背景を知っていただけれるように努めていきます。

 私たちはヨルダンで出会った、ヨルダン大好きな家族です。息子は11ヶ月でヨルダンの土地を歩きました。

いつの日か、Saint Georgeを片手に皆さまとお会いできる日を楽しみにしています。

それでは サハテーン(乾杯)。

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WINE LIST

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